2010/5/30 @
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まるでどこかにスイッチがあったかのように、梅雨が明けた途端に強烈な夏空が広がっている、そんな「海の日」前後の数日です。この青空を見て、このフライヤーを思い出したからというわけでもないのですが、万能グローブ ガラパゴスダイナモス(以下「ガラパ」と略)の前回公演「すごくいいバカンス」を見た後の雑感などを少々。
この作品は、とあるリゾートバイト先の寄宿舎に集う人々の物語です。時はオフシーズン。リゾート地は人影も少なく、そこでバイトをする人々には緩やかな時間が流れています。よく知り合っているようでそうでもない曖昧な人間関係は、多少の秘密を抱えたまま現実から距離をおくのに都合がよく、ここに暮らす者は皆、その居心地の良さからいつか抜け出さなければならないのを、つい忘れてしまうのです。そこへある日、風変わりな新人と或る秘密に関わる侵入者がやってきたことで寄宿舎に流れる時間の速度が変わってしまい、それぞれがそれぞれに、本来自身が生きるべき現在を意識する瞬間が訪れる...という感じのストーリー。
現実からの逃避は賢明な選択ではないけれど、折れそうになってしまった自分を活かすためには、誰しも時間を必要とする事があるものです。問題と対峙していることを隠しながら過ごす者。夢を実現する勇気を持てず、かといって終わりにすることも出来ずにいる者。一見バカンスの様に楽しげな日々の中で登場人物たちが見せる悩みを秘めた行動は、突き詰めれば私たちの誰でもが陥りがちなステレオタイプであって、観る人は何れかのキャラクターに感情移入してしまうかも。また今回も、幾筋にも引かれた伏線が回収されていく様子は、観ていて楽しさを覚えました。
ただ、だからこそ物語の収束する方向が途中から見えてしまう感じも私にはあって、興味を引き続けるのが難しい脚本?テーマ?なのかなとも思いました。個人的には、この部分を上手く埋めてくれたのは、台詞に織り込まれたセットの外の風景を描写する言葉の数々。川口さんがもし画家か写真家だったら、きっとその作風はビビッドだろうなぁ...。
当初私は、ガラパに「若さ」というか「元気がいい」というようなイメージを持ちましたが、3月の「鍋のナカ」や本作を観て、違う面があることも何となくわかって来ました。以前のエントリーでも書いたような気がしますが、一つの劇団の何作かを経過を追ってみていくと、自分の見方が変ったり、劇団そのものが変化して行く様子を感じとれたりして面白いです。
今回場内で配布されたパンフレットには「次のステップ」という言葉で表現されていましたが、印象として「現在進行形で動いている」ことが伝わってくる劇団だと思います。ガラパの夢が最終的に何処を目指しているのかは知る由も無いけれど、今後の公演を通じて少しずつ見せてくれたらいい。かなり邪道かも知れませんが、私は演劇周辺のそういう時間の経過も楽しんでいきたいなぁ、などと。
...というわけで私は、これからも「高校野球で地元校を応援する商店街のオヤジ」の様なテンションで、福岡の演劇シーンを眺めていきたいと思うのでした。そう、今回は「かっ飛ばせ!ガ・ラ・パ!!」的な心境だけど、打順は回るのよ。(笑)
以上、今回も乱文にお付き合い、ありがとうございました。
posted by 芋幹(いもがら) at 07:28|
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